五人一首





コオロギの静かな鳴き声を聞きながら

私は無我夢中で走っていた。






「はぁっーー…」





忘れたくて。




「はぁっー…」




忘れたくて。




「はぁっー…。うぅ…っ。」





必死で闇を駆け抜けた




「はぁっー…。ひっくっ。」





頬に流れる涙と共にーー…







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