ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
へぇとひとり納得していたヒロくんだけど、どういうことかと何度訊いても上手くはぐらかされてしまい……

結局、その理由はわたしに教えてくれることはなかった。

その代わりに。


「世良課長は相当、本気だってことだな」


ひとり闘士を燃やしていた。

本気だったとしても、わたしたちはやり直すと決めたのだから。

意味ないんじゃないかな。


「世良課長は強引に引き裂こうとかいうキャラじゃないよ。それにそんなことする人でもないし」

「そうかもな。でも、隙は狙ってる」

「なによ、その『隙』というのは?」

「たとえば。俺たちが喧嘩しようものなら、そこを突くタイプだよ」

「大丈夫だよ。ヒロくんさえ怒らなければ喧嘩なんてないもん」


ほんの冗談のつもりで言ったのに、ふいに空気が変わる。


「はあ? いつも怒るのはカホの方だろう?」


そう言ってヒロくんの腕がわたしに身体に巻きついてきた。
< 138 / 311 >

この作品をシェア

pagetop