ナイショの恋を保存中!~クールな彼の恋人宣言~
週明けの月曜日。


「夏帆莉ちゃん、待って!」


仕事帰りの道端でとうとう楓ちゃんに捕まった。

いつもなるべく顔を合わせないようにしていたのに。

本当は泣きそうなのを必死にこらえているのに。

わたしを呼び止めるなんて、まるで拷問だよ。


いい加減にして!

そう思って振り向いたら……

え?

楓ちゃん?


瞳いっぱいに涙を溜めて、泣きそうな顔をしているのはむしろ楓ちゃんの方だった。


「どうして楓ちゃんが泣きそうな顔してるのよ。泣きたいのはこっち」

「ごめんなさい。全部、理事長が……祖父が勝手に決めたことなの」

「だって……楓ちゃんも西倉さんのことが好きなんでしょ? だから縁談の話しになったんじゃ……」


それで先週、ヒロくんと会っていたんじゃないの?
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