砂のオベリスク~第七大陸紀行~
「これは残念!」
走馬灯の一つかと思ったが、聞き覚えの無い声だった。若い男のようだ。
「救う価値の無い、価値ある命をしていらっしゃる!」
私は我に返った拍子に、思わず口を開いてしまった。
しかし流れ込むのは大量の砂ではなく、熱い空気だった。柔らかいものが口を塞いでいた。
流れがさらに急になった。
その流れよりさらに速く、私は流された。
そして、
勢い良く太陽の下へ飛び出した。