最弱暴走族と桜【完】SS更新中!


バッコォォオン



昼過ぎ。
手造りのケーキを食ったあと、午後の特訓をしていると道場の扉が吹っ飛んだ。



「こんにちわぁ~」

「お前等…」

「あれぇ?尚人くんも相汰くんも、昨日よりボロボロじゃん」



半分魂が飛んでいた奴らは自ら魂を飲み込んで、道場破りもどきを睨む。
喋っている内容から昨夜、二人が喧嘩した相手だと分かる。



「……っ」

「相汰くん、昨日の夜はどうも。中坊のくせによくもやってくれたね」

「珍しい、総長サンもいるじゃん」



道場の奥に立っていた大和が目に入ったらしい。奴らは道場内を見渡して、あたしを見つける。



「相汰くーん?あそこに立ってるの血桜じゃないのぉ?昨日、言ってた事と違うじゃん」

「……っ」



大和の後ろにでも隠れるべきだったか。奴らの目的はあたしらしい。
まぁ、狙われる事には慣れてる。けど、今はそれどころじゃない。



『お前等、立てッッ!』

「「はいぃぃい!!」」

「あははは、何?血桜の手下になっちゃったワケ?」



あたしが怒鳴るとその場にピシンと立ち上がる。それを見て、何やら勘違いをしている奴等。面白げに嘲笑っている。



「血桜も見る目がないねぇ?こんな弱い奴らより俺等の方が…」

『黙れ。こいつらに負ける様な奴等があたしに話かけるんじゃねぇ』

「「……っ」」

「…っ。はっ、俺等がこいつ等より弱いって?ありえねぇ」

『お前等…』



あたしはビクビクしている全員を見渡す。顔を青くしている所を見るとあたしが怖いらしい。





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