サンダルウッドにくるまれて
だけど、こんな気持ちは封印。
ただ、もう、帰れる時を指折り数えて待つしかないんだよね?

そんな私を、時折 困ったように見るマティアス。

ひょっとして
私の気持ちに気が付いちゃった?

私がそばにいると迷惑?
早くいなくなった方がいいのかな。

そんな想いを抱えていると、侍女がふと漏らした。

「マティアス様は来年、王になられます。
その時はお妃様を娶られて、国中でお祝いします。
その儀式の前に…サエ様を無事お国に戻したいのでしょうね」


そっか。
マティアスには決められた女性がいるんだ。


私みたいな≪よそ者≫に構ってる場合じゃない。


私なんて、早く帰ってしまった方がいいんだ。

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