無記名な世界
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「おじさんっ、おばさんっ、」
病院につき、亜流の両親にあった。
『亜流は?』と訊こうとも、息があがって声がでない。
「……………今宵ちゃん…」
そんなあたしをみて、おばさんが話し出そうとするも…
何を戸惑っているのか、中々話し出そうとしない。
「…………亜流は、亜流は……まだ、分からないわ」
「ただ、傷が深すぎるから…………助かる確率は……………」
「っ、……じゃ、じゃあ亜流は……もう、」
首を振り、助かる確率はほぼないと示すおばさん。
おじさんは何も言わない。