僕はショパンに恋をした
俺は以前に通いなれた駅で降り、なれた坂道を上る。

振り返ると、海のキラキラが見えた。

目を細めて笑うと、楽しげな声が聞こえた。

「先生!ずるいよ〜!」

あははと笑い、その先生は言った。

「あきらくんが、練習さぼるから〜。クッキーひとつ没収ね。」

(また、大人気ない事を…。)

俺は苦笑して、声のする方へ向う。

そこには『cafe ♪』そっくりの店があった。

看板もあった。

俺は扉を開けて言った。

「おい、外まで声きこえてるぞ。」

あきらと先生は、振り返って入口を見る。

「あ、ひさぎ先生!日本に帰ってきてたんだ!」

あきらが駆け寄る。

「おう。」

「聞いてよ!シオン先生、クッキー横取りするんだ!」

俺は先生に目を向ける。

「おかえり。」

シオンが笑った。

「ただいま。元気そうだ。」
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