僕はショパンに恋をした
大学生活も2年目になると、駆り出されることにも馴れてくる。
町を歩けば、ちらちらと見られるほどには、名が知られている。
まったくもって不愉快だ。
回りの奴等も、敵対心をむき出して来る。
まあ友達が欲しいってガラじゃないから、一向にかまわないけど。
でもチリチリと痛み始めていた胸は、とうとう悲鳴をあげてしまった。
やってらんねぇ!!
限界にきた俺は、もうだめだった。
昔の、あの感覚が蘇ってきた。
何の為に弾いてたんだか、訳分からない、あの感覚。
戻りたくない。
あの頃の自分には戻りたくない。
『迷ったら立ち止まればいい。そんな時は、またお茶、いつでも飲みにおいで。』
もう何年もあっていない、あの夏の日の霧野さんの言葉を思い出した。
唐突に、あの紅茶が飲みたくなった。
まるで時間がそこだけ優しく流れているような、あの店に行きたくなった。
きっとまた俺を立て直してくれる、何か与えてくれる、そう思った。
思ったら、止まらなかった。
俺は出るはずのコンサートやイベントを、すべて断って飛行機に乗った。
日本はちょうど梅雨のはずだ。
俺は留学してから一度も戻ってない日本に、帰ることにした。
町を歩けば、ちらちらと見られるほどには、名が知られている。
まったくもって不愉快だ。
回りの奴等も、敵対心をむき出して来る。
まあ友達が欲しいってガラじゃないから、一向にかまわないけど。
でもチリチリと痛み始めていた胸は、とうとう悲鳴をあげてしまった。
やってらんねぇ!!
限界にきた俺は、もうだめだった。
昔の、あの感覚が蘇ってきた。
何の為に弾いてたんだか、訳分からない、あの感覚。
戻りたくない。
あの頃の自分には戻りたくない。
『迷ったら立ち止まればいい。そんな時は、またお茶、いつでも飲みにおいで。』
もう何年もあっていない、あの夏の日の霧野さんの言葉を思い出した。
唐突に、あの紅茶が飲みたくなった。
まるで時間がそこだけ優しく流れているような、あの店に行きたくなった。
きっとまた俺を立て直してくれる、何か与えてくれる、そう思った。
思ったら、止まらなかった。
俺は出るはずのコンサートやイベントを、すべて断って飛行機に乗った。
日本はちょうど梅雨のはずだ。
俺は留学してから一度も戻ってない日本に、帰ることにした。