君想ふ聖夜


思えば、あの時から静綺は聖を好きだった。













目を薄く開けた聖の瞳に、薄暗い部屋が映る。

体のだるさに二度寝をしようとするが、静綺の姿を無意識に探した。

なんのことはなく静綺は聖の隣、つまり視界に入った反対側でうなだれていた。

少し泣いているようにも見える。


「…馬鹿じゃないの。」


白い腕を伸ばす聖。

静綺はそれに気付かず、髪に触れた時驚く。


「散々強姦された後に泣きたいのはこっちだっての。」

「泣けば。」



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