ここからまた
【1】
桜咲く季節から1か月ほど経った5月が少し過ぎたころ、ふと気付いたことがある。




(あっ、また…)



「見てる。」



毎週木曜日にその視線は感じる。

『特別自習室』から注がれるそれが少し気になる。





「おいっ、啓!!アップ終わったんなら行くぞ。」

同じバスケ部1年の宏斗に言われて、我に返る。

「あ~、わりぃ、わりぃ。」


「よそ見してっとグランド走らされっぞ。」

「練習中にはしねぇって。」

なんて軽く笑いながら流して、もう一度あそこを見上げた。

だが、そこにはもうあの姿は見えない。







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