愛玩~夢幻の秘密~

初めてだった。


柔らかく甘く耳元で囁いてくれるのは。


あたしの心の痛みを見透かしたように、何もかもを包み込むように。


温かく耳の奥にこだまする。


その言葉が嬉しくて。


涙は大粒になって、とめどなく流れ落ちてゆく。


「鷹都……ありがと…う。」


震える言葉に、何も言わずに抱きしめてくれた。


ゆっくりと見上げた鷹都の顔。


その冷たく凍りついた瞳の中に、温かい炎を宿すかのように。


ゆっくりと唇を重ねた。


あたしを抱きしめる鷹都の腕に力が入ってく。


ゆるやかに唇を離したのは鷹都。


ジッとあたしの顔を見つめながら


「愛される苦しみに、耐えてくれるのか?」


そっと動いた唇。

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