愛玩~夢幻の秘密~
1年たったら…

あの日から1年。


今日は、神楽さんのお家で過ごすのが最後の日になった。


「寂しくなっちゃうわ。」


大きなおなかを抱えながら、大粒の涙をこぼす奏凛さん。


「いつでも遊びに来てください。それより、まずは元気な赤ちゃんを産んでくださいね。」


ニッコリと笑った。


この一年。


あたしは、神楽さんの家にお世話になった。


奏凛さんは、本当のお姉さんみたいに感じて。


寂しいのは一緒。


「うん。葵織ちゃんも、いつでも帰ってきていいからね?」

「はい。」


軽くお辞儀をして。


迎えに来た神乃木家の車に乗り込んだ。


久しぶりの神乃木家だ。

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