ハチミツ×シュガー




「う…わぁ――…っ」



“痩せてメイクしたら可愛くなりました”的な、少女漫画にありそうな事は流石に無いけど。


 ――でも。

 そこには清潔感のあるフワリとした、ブスではない普通の女の子がいた。



「これ……凄い力だね」


 思わずメイク道具に目をやりながら呟いた。




「ふふっ 題して、『恋する女の子』

 塗り過ぎない、シンプルな可愛らしさがあるでしょ〜♪」


 真弓がピースしながら得意気に言ってくる。



「本当!
 これならあのイケメンの彼も惚れちゃうわぁ!」


 保健室の先生もかなり興奮して目を見開いてる。



「……“イケメン”?
 誰?それ」

「あっ……え、と」



「あら。佐藤さんに話してないの?

 この前、彼女が倒れて運ばれた時、凄く格好いい男の子が様子見に来てたのよ〜」



 顔面蒼白な私を無視して『フフフッ』なんて笑いながら話をする先生。



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