ハチミツ×シュガー



 外はカラッと晴れていて、きっと世間一般ではこんな時を“清々しい”と言うんだろうけど。


 学校に近づくにつれ、同じ制服を着た子達が私を追い抜く中……

 私の気分は、落ちていく。




「はぁ…」


 さっきから私の周りは二酸化炭素だらけ。

 もう、溜め息しか出ないよ…。



 トボトボ歩いていると、いつもより少し遅れて校門近くに着いた。


 校門付近には、同じ制服を着た生徒が、なぜか群がってる。

 近づくにつれ、主に女子の集団だと気付いた。


 男子生徒が隙間をぬうように校門を通るのを真似て、私も恐る恐る通っていく。



「先輩、何してるんですか?」

「やっぱりカッコいい〜!」

「ねぇ、誰かと待ち合わせしてるの?」



 ……? 誰なんだろ。



 私は少し興味が湧いたけど、あと10分で始業チャイムが鳴るので諦めて足を早めた、ら。


「如月!」



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