ハチミツ×シュガー

　我慢していた涙は……

　一度、溢れ出てしまったら


　止まることを知らなくて。






「楓」


「……ご、めんっ」
「楓！」


　泣きじゃくる私を落ち着かせるように、皇が私をキツく抱き締めてきた。



「楓……楓のせいじゃない。
　言いたい奴には言わせておけばいい。

　誰がなんと言おうと、俺とお前は“双子”で“兄妹”で“家族”なんだから」



「――皇…っ」




　私は“皇 依存症”。


　ママもパパもいない、たった２人きりの“家族”。

　それだけで良かったはず。


　――なのに……




　今はただ、西城くんの声が……聞きたい。



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