ハチミツ×シュガー




――――――――……
―――――――――――……



 皇に促されて自分の部屋に来たけど……

 電話を持ちながら、すでに10分近く、発信ボタンを押せない私。



 ……出てもらえなかったら。

 ……呆れられてしまったら。



「――どうしよう……」


 ……というのを、さっきから一人繰り返していた。




 ……でも。


 やっぱり、ちゃんと伝えたいから。




――ピッ――ピッ


 消えてしまった画面をまた点灯させて、西城くんの番号を出す。


 ……そして、今度こそ発信ボタンを押した。





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