ハチミツ×シュガー



「――真弓?」


「あっ ごめん、何でもない」


 苦笑いで返す真弓。

 私は心配で、ジッと彼女を見つめると。



「――西城は……もう、いいの?」



 その小さな一言に。


 一瞬、息が出来なくなった。






『西城は……もう、いいの?』





 ――西城くんの声。


 手の温かさ。

 彼の……香り。




『好きだ』





 ――気づけば。


 こんなにも彼が溢れ出る。




< 434 / 771 >

この作品をシェア

pagetop