ハチミツ×シュガー



『如月?』



 耳元から聞こえる斉藤くんの声。

 続きを言わなくちゃいけないのに。




「アイツの所になんかいくな……」


 掠れた彼の声に、言葉が出ない。





『……やっぱり…

 彼方じゃなきゃ、ダメなのか?』



 後ろから私の首もとに顔を埋めてる西城くん。

 彼が吐き出す温度に、クラクラする。




 さっき答えを出したのに…。

 彼を忘れようと思ったのに……っ




「……ごめんなさい…っ


 それでも……

 西城くんじゃなきゃ、ダメなの」



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