ハチミツ×シュガー




 いつも自分に自信の無かった私。

 卑屈になって、皇や周りのせいにしていた。


 今なら、すごく分かる。



 西城くんが水族館で言っていた事。

 私はわざと人に嫌われるように振る舞っていた。

 目も合わさず、話もせずに、仏頂面で。



 ――そんな私を、見つけてくれた西城くん。





 私は彼の私への気持ちを、真っ直ぐに受け止められる。

 彼が教えてくれたから。


 私は“一人じゃない”って……。





「……キレイな月…」


 紺色の空に、くっきりキレイな月が浮かんでる。

 本当にキレイで、隣の彼にも見て欲しくて彼を見上げたら――



「……本当だ」



 そういった彼の横顔があまりにも美しくて……。



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