男の子嫌い克服中
ベンチに座り、タオルで涙をふく。


あれ?

佐原君がいない…。

さっきまで近くにいたはずなのに。

「どうした?」

上から声がする。

見上げると、佐原君がタオルとジュースを差し出してきた。

「泣いてるのとか見られたくないかなって思って。これ、濡れタオルと桃ジュース」

わざわざ、走って…?

隣には座らず、1つ隣のベンチに座る。

「佐原君、ありがとう」


じわっとまた目がかすむ。

「どういたしまして」

そう言って笑顔向けてくれた。


貰ったジュースをひと口飲む。

ちゃんと言わなくちゃ。


「……クラスのガキ大将だった子に、

ブスとかさわんなとか見んな、近づくなとか

突き飛ばされたり、虫投げられたり…

したんだ」

「……」
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