【短】スノウ*グリッター


「お前ら上手くいってんのかよ?」

「…っさいな、大丈夫だよ」


―…大丈夫だもん。


そう考えていた。付き合っているって好き合っているって自信はあった。


キスも、言葉も、全部。
自分のためだけだと思ってた。


………それなのに。



 *


雪かと思ってよく見たら、雨も混じってた。


「……嘘」


放課後。急にみぞれが降りだした。傘を持っていないあたしを下駄箱で待っていたのは


「愛加遅い」

「なんで宙があたしを待ってんのよ」


なんで海斗じゃなくて宙なの。


「傘持ってねえんだろどうせ」

「………」


相合い傘をする相手が間違ってる…そう思いつつもあたしは差し出された紺の傘に身を入れた。


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