空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
放課後
陽といつものところで待ち合わせた。
そのときは、なにも変わったところのない、いつもの陽と同じだった。
「絢、行きたいところある?」
「うーん…… 陽の行きたいところでいいよ」
「わかった」
あたたかい笑顔を向けてくれた陽
そして、遊園地に連れて行ってくれた。
ジェットコースターには乗らなかったけど
本当に楽しくて時間を忘れていた。
そして日も暮れてきて、ゆっくり回る観覧車の中……
「楽しかった!」
「よかったよかった」
「また来たいなぁ」
「ああ 今度。なぁ絢……」
あたし自身、この時は思いもしなかった。
陽の苦悩と、悲しみ。つらさ
そして陽の背負うものの重さ
それはあたしの想像を超えるものだった。
それをあたしが知るのは、しばらくあとの話――――……
「絢はさ、俺と別れることになったらどうする?」
「えっ?」
「や、マジになんなよ」
「悲しいけど、陽がそうしたいなら絢はそれを、受け入れることになるよね。考えたくないけど、気持ちがないなら別れるのが一番ベストなことだよね。お互いに」
考えたくはないけど、
気持ちがなきゃ意味がない。
だから、悲しくてもそれを受け入れないといけない。