空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
ケータイについている白いクマのぬいぐるみのキーホルダーも、陽からの電話も、メールも気づいてからとても愛おしくなった……。
「絢、頑張って!」
「うん!」
「じゃあ、あたしも頑張る!」
「由美も頑張って!」
由美は、明るく女の子らしい笑顔を見せてくれた。
あたしも由美に負けないくらいの明るい笑顔で返す……。
友だちって……いいね。
気持ちに気づかされたあたしは、珍しく授業の内容が頭に入ってこなくて……。
「和泉!」
「はい」
「お前が上の空なんて珍しいな。恋でもしたか?」
「先生! 違いますよぉ……」
生物の先生にいじられる。
生徒にいじられるこの先生にいじられるなんて……、
あたし、よっぽどボーっとしているのかな……。
もぉ……由美なんて大爆笑してるじゃん!!
自分がすごく恥ずかしいよ……。
顔が、今は多分、真っ赤なんだろうな。
好きになるってこういうことなんだね。
なんか、心があたたかくなる。