子猫が初恋提供します。




「お…っ、おまえ…マジに言ってるのか…?

あの子を見ると、ドキドキして……苦しい?」



嵐がブルブルと震える指で俺を指差す。



「うん。」



それにあっさり頷いた。



俺はめんどくさいから嘘は言わない性分だ。



よく知ってるだろうに…そう思いながらなんで慌てるのかと不思議だった。



「マジかよ…。

いや、でも…おまえはそういうのまるで興味を示さないでここまで来たよな……。」



「………??」



ブツブツしゃべる嵐に意味がわからない俺はひたすら首をかしげていた。



「あぁーーっ!マジで嫌だ!!

そこそこ色んな経験積んでそうな外見のおまえに………っ、

なんでこんな小学生でもわかるようなこと説明しなきゃいけないんだーー!!?」



意味不明の俺をおいてきぼりに、頭を両手で抱えて大げさな叫び声をあげる嵐。



…だから、さっきからそれはなんなんだ?



「………っ!!」



「………?」



そして嵐は意を決したように俺に向き直った。









「……それは……《恋》だ。」



「………。」










そして………一言、そう言った。












「…《鯉》…か。」



「おまえ……絶対、魚のこと言っただろ……。」











…違う?








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