子猫が初恋提供します。




「まぁ、さすがに今すぐとは言わないけど。」



「………!」



そう言ってあたしに笑いかける夜に心底ほっと胸を撫で下ろす……。








でも、



相手は…あの《夜》。








次の瞬間にはニヤリと笑うと…



「前にも言ったけど、俺は欲しいモノは絶対に全部手にいれる。

まずは、にゃあ…早く俺に惚れろよ……。」



「……!!!」










夜の黒い瞳が妖しくキラリと輝いた…。









うん…もう…こいつ……



――――間違いないく本気だ!!!









だけど










『早く…惚れろよ』



そこだけは、まるで…懇願するように囁かれた一言に…










初めてきゅんしちゃったのは、秘密……。








「…心臓、もたん…。」



「にゃあ?」



ぐったり手足をベンチに投げ出すあたしをきょとんと不思議そうに見つめる無意識な夜。








藤間夜兎…なにが《夜の兎(うさぎ)》だ。









「今日からここ…俺達の秘密の場所な?」



「……!!」












こいつはあたしを惑わす《オオカミ》です。









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