子猫が初恋提供します。




ペタペタスリッパの音を鳴らしながら歩いていると…



派手目な数人の女の子があたしを見てひそひそ囁きあいながら笑ってる。



「………。」



居たたまれなさに視線が落ちて、それで目に飛び込んでくる緑色のスリッパに嫌気までさした。



そんなあたしを横目で見ると



「言いたいことあんならはっきり言えっつーのよ!!

陰険!最悪!!」



蓮がわざとらしいほどの大きな声で言って、彼女達を睨み付けた。



それにそそくさと去って行く…。



「蓮、ありがと…。」



嫌な視線が消えてホッとしてしまう。



嫌がらせされてんのはあたしなのに、はっきり蓮のように言えない自分が情けないよ…。



蓮はフンと鼻を鳴らすと



「いいわよ、別に。

あたしがムカついたから言ってるだけだし。

だいたいちょっかい出してんのはあの変人なんだから!」



「ハハハ…。」



それに何と答えていいものかわからず…曖昧に笑って誤魔化した。



そう、









彼女達は、夜のファンってやつだ。








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