罪線

柴田の場合

カタカタカタ……カタカタカタ……

テーブルの上に置いといた俺のケータイが鳴る。

「13時……そろそろ時間か?」

=柴田、お前の時間だ。好きな事をやりな。制限時間は2時間。from.β

「いつも通りだな。さて……っと、行くか」

俺には一日に二度の外出が許されている。

その内の一回が今。

まぁ、パチンコ好きな俺としては、台の波も安定して、パチ屋のゴールデンタイムとも言えるこの時間に外に出れるのは嬉しい。

しかも昔とは違い、今は仕事なんてしなくても充分な程の金が手に入る。

大富豪の家に永久就職した女の気分だ。

「さて、まずはコンビニ行かねーとな」

と言ってドアを開けると、いつもの様に数人のお巡りクン達が張っている。

「お疲れさ〜ん。入りたきゃいつでもど〜ぞ〜」

なんて小ばかにした言葉を吐き出すと、奴ら悔しそうな顔をする。

快感だ。

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