罪線
身体中が痺れる程の衝撃が走り、僕はそれが"快感"なんだと初めて知った。

「お、おい!平岡!撮ったぞ?!」


「あぁ……ゴメンゴメン」


僕は、ここぞとばかりに大きく息を吸い込み、そして発した。


「う、うわぁぁぁ!!!」


白髪の男は僕らに気付きはしたが、追って来ようとはしない。

それもそのはず。単独犯である以上、複数人を捕まえるのは無理だ。


完成。


犯罪者に、被害者。


そして


偶然居合わせた僕ら。


後はこれを警察に見せるだけ。

まぁ、多少警察にツッ込まれる点はあるだろうが、全てつじつまを合わせられる様に作り上げたから大丈夫だ。


宮内……僕をこの場に駆り出したのは正解だったよ。


後はあのオッサンが全てを吐かない様に祈るだけだね。


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