オリオン座

すれ違い

ピロリーン
いつもの目覚まし時計が鳴る
新しい朝の始まりだ
ヴー
携帯が震えだす
こんな朝早くからなんだよ
「はい、もしもし」
「あー、今日は起きてんだな」
朝に強い、しゅうやからのモーニングコールだった
「何だよ。今日は休もうとしてたのに」
「ダメだ。来宇ちゃんのこと頼むって言ったじゃん」
「は?今日も誘うのか?」
「あたりまえだ!」
「嫌がられると思うけどな」
「だから、お前に頼むんだって」
「はぁー?」
「じゃあ待ってるからな」
ツー
何だよ、あいつ
俺は昨日から利用されっぱなしだからな
でも、しゅうやには色々世話になってるからしょうがないか・・・
一人で納得しながら支度をしていく
久しぶりに朝から学校へ行くなぁ
しっかり授業うけてやろ
ご飯を済ませ、適当に髪の毛を手ぐししながら家を出る
学校への道を歩きながら、昨日の来宇との出来事を思い出した
寝る時から離れないのだ
俺と同じ境遇なんてな・・・
泣くほどだからきっとすげぇショックだったんだろうな
そう思うと、あんなツンツンしてる奴でも同情してしまう
うわの空で歩いていると、いきなり横から自転車がぶつかってきた
「いってぇ」
あんまり向こうのスピードが出ていなかっから俺は、倒れただけだった
「どこ見てんの?いったー」
聞き覚えのある声だったと思ったら、来宇だった
「お前・・・」
「ちょっと、矢吹くんよそ見してないでよ」
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