君のすべてが見たかった
明日がある
――チュンチュンと


小鳥たちの鳴く声


――さわさわと


近くに聞こえる川のせせらぎ


山小屋にも、寒さでピンと張りつめた空気を割くように柔らかな光りが差し込んできた。


先にケイが目を覚ますと、隣りでスヤスヤと眠るミチの安らかな寝顔を確認した。


―それにしても快適だ。


時間を気にしないと、こんなにも安眠出来るんだ。


病気で僅かに残っていた疲労感までもが、どこかに行ってしまっている。


恐らくミチもそうだろう。


普段張りつめている緊張の糸が、適度に緩んでいるのが安らかな寝顔が物語っている。


今日も色んな事を楽しめそうだ。


ケイはミチの為にコーヒーを入れようと、そっと布団からでると、まずお湯を沸かす事にした。




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