初雪メモリー[BL]
「このまま行けば来週の二十五日は初雪ですね」


来週の二十五日か。何か用意しないと。折角この首飾りをくれたんだ。

何か贈らなければ気が済まない。だけど雪や月花と一緒でないと買い物にも行けないし……。

黙っていて貰うように協力はして貰うとしても何処まで内緒に出来るのだろうか。


「なあ、海理って何が好きなんだろう」

「お祝いされるのですか? さすがは海理様のはん……」

「そんなんじゃねえって!!」


月花は明らかに伴侶と言おうとした。そうだ。アイツからすれば俺は“嫁”だったんだ。

すっかり今の日常に馴染んでしまっていて忘れてしまいがちだけれど。

それも少なくとも俺は、の話だが。まだ男同士で結婚なんて有り得ないって思っているし。



「海理様は彩十(さやと)さんが下さるものであれば、何でも喜びますよ?
そんな答えでも困るのでしたら贈り物探し、お手伝いしますけど」


まだ何処か引っ掛かるけれど、雪のその提案は正直言ってありがたいものだ。

何でも良いと言われても選べないし。
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