【短編】或るOLの憂鬱~セクシャルハラスメント


そして、わたしは彼の欲求を拒み続けることにも疲れていた。


拒み続けることで、「捨てられるかもしれない」という不安もあった。


自分を押し通すことがだんだん面倒になってきたわたしは、ある日、とうとう、観念してしまった。


きっと、小説や漫画のように優しくしてくれる。


彼ならきっと大丈夫。


そう信じていた。


しかし、実際は思い描いていた甘いものではなくて、彼の愛情などまったく感じられないただの押しつけの行為だった。


苦痛のほか、何物でもなかった。

< 14 / 23 >

この作品をシェア

pagetop