【短編】或るOLの憂鬱~セクシャルハラスメント
そして、わたしは彼の欲求を拒み続けることにも疲れていた。
拒み続けることで、「捨てられるかもしれない」という不安もあった。
自分を押し通すことがだんだん面倒になってきたわたしは、ある日、とうとう、観念してしまった。
きっと、小説や漫画のように優しくしてくれる。
彼ならきっと大丈夫。
そう信じていた。
しかし、実際は思い描いていた甘いものではなくて、彼の愛情などまったく感じられないただの押しつけの行為だった。
苦痛のほか、何物でもなかった。