†穢れなき小鳥の殺し方†
「次は何をやったら――」
「掃除。家政婦だろ」
「そう、ですよね、はい」
和香は俺の部屋を見渡して、
「それじゃ、このお部屋からでいいですか?」
「好きにしろ」
俺の返事に和香は「よし」とジャケットを抜いてブラウスの袖をまくった。
そして、
「これはどこに置きましょう?」
「そこでいい」
「あの、これは捨ててもいいですか?」
「・・・・・・どう見てもゴミだろうが」
「あの――」
「もういい!!あいてるとこだけ掃除機かけとけ!!」
俺の怒号に「はい・・・・・・」と小さく答え体を縮めた。
その後は便所掃除に台所の片付け。
それですら、
「あの、この洗剤、開けてもいいですか?」
「あの、昨日買ってきたの使っても?」
「あの、昨日のどこに置きました?」
いい加減『あの』恐怖症になりそうだった。