†穢れなき小鳥の殺し方†

月曜日。

いつもなら昼過ぎまで寝てるのに、やけに早く目が覚めてしまった。


「・・・・・・コーヒーでも」


飲むか。

そう思い立ってカップを手にする。

インスタントのコーヒーをスプーンですくって――。

自分でコーヒーを入れるのは久しぶりだな。

整然と並べられた調味料、綺麗に磨かれたシンク、汚れた食器は俺が帰ってきたときに水を飲んだコップだけ。

今までは白一色だった食器も和香に割られて、

その代わりに置かれているのは一目で高級と分かるようなものに。

そこから部屋を見渡しても、服は綺麗に畳まれて雑誌もテーブル脇に積まれてた。


シューと湯の湧く音にハッとして、カップに湯を注ぐ。

途端に香り始める刺々しいインスタントの香り。

それを口に運んで――、


「熱っ!!」


思いっきり舌を火傷した。


考えてみれば和香の入れたコーヒーはこんなに熱くは無かった。

入れてすぐ、口に入れても飲みやすい温度で・・・・・・。



「・・・・・・どうでもいいけど」


そう、

だからってどうでもいいことだ。

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