†穢れなき小鳥の殺し方†



休むと言った次の日、当然のごとく和香は来なかった。

俺は昼過ぎに起きてコーヒーを自分で入れた。

熱すぎるそれを少し冷まして口に運ぶ。

シャワーを浴びて用意されたタオルで身体を拭く。

ドライヤーで髪を乾かしワックスで整えて、洗面所から部屋に。

綺麗に畳まれた俺のシャツ。

それに手を通して、ハンガーにかけられたスーツを身に着ける。

箱の中にきちんと並べられた指輪やネックレス。

着ている服にあわせてそれをチョイス。


飲んだカップもそのままに俺は家を出た。


いつものように『仕事』して、『未明』と言われる時間に帰宅。




昼間に飲んだカップは、

テーブルに置かれたままだった。


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