†穢れなき小鳥の殺し方†


ゆっくりと和香が俺を見上げる。

その瞳には驚きと、

それから、

『憐れみ』が混じった。


「いつから・・・・・・?」


口を塞いでいた細い指が静かに下ろされる。


「パパが頼んだ興信所の報告書に、

 書いてありました」


こいつは、

最初から俺が『相沢 翔汰』だと知ってたんだ。

あの時の『相沢』だと。



「・・・・・・だから」


俺の言った条件を素直に飲んだのか?

『絶対服従』に従ったのも、

俺への謝罪のつもりだったとでも言うつもりか?


「ごめんなさい・・・・・・」


何が?

何が『ごめんなさい』なんだ?


親父が首を吊ったことか?

母親が死んだこと?


それとも――。

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