†穢れなき小鳥の殺し方†
「――申し訳ありませんが、工場も抵当に入れられていますしこれ以上の融資は」
「そこを何とか!」
「相沢さん、お気持はわかりますが」
「桧垣さん!お願いします!!」
銀行の応接室。
その床で頭を下げる親父。
前にはきっちりとネクタイを締め、眼鏡をかけたおっさん。
「私も長いおつきあいでどうにかしたいと思っていたのですが・・・・・・」
ここの支店長とは結構長い付き合いだったらしい。
今まで危なかったときも助けてもらったから今回も・・・・・・。
親父はそう思ってたみたいだった。
だけど、
「この間、副頭取が来られて――」
鶴の一声、ってやつ。
『見込みのない融資』は総てうち切れ、
と一喝されたらしい。
その中にうちの会社も入ってたわけで・・・・・・。