俺様王子の初恋






『 さん、・・一条泰雅さん、佐野基樹さん 』






耳に入った、その名前と黄色い声。
無意識に袖の方に向かって歩いて
幕の横から少しステージを覗くと
泰雅先輩と佐野くん、その他三人の
男子生徒がステージ上に並んでいた。







飛び交う女子生徒の声に巻かれながら
ダルそうに、だけど堂々と立っていて
あんな所にいてもいつもの、そのままの
彼が、キラキラして見えた。







「 次は貴方の番よ? 」


「 ・・・え? 」


「 裏にいるんだからそれくらい
  察してもらわないと♪ 」







並んでいた男子生徒たちが私が
いる側とは逆の、向かい側の
袖の方に戻っていくと、








『 1年、一之瀬葵さん 』










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