俺様王子の初恋










何か一つでいいから、
返したかったのに
気づけば私はまた
助けられていた。






泣く私を強く抱きしめながら
彼は何度も何度も”大丈夫だ”と
私に言い聞かせた。










「 後夜祭まで、踏ん張れるか? 」


「 ・・・・・・はい 」






それから、私は保健委員の仕事を
丸々一日旧校舎でサボって、
彼はクラスの係をサボって、
ずっと私についていてくれた。











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