俺様王子の初恋





「 ねぇ、一之瀬さん?
  何かあったら協力するよ? 」





誰にでも、優しい。






それが、私は大嫌い。
それは本当に”優しい”の?
性格が捻じ曲がった私には
真っ直ぐ親切を受け取ることは
できなくて、申し訳なくて
視線を逸らした。






「 大丈夫です 」






意識を逸らして、笑顔を向けると
口元に人差し指をあてた彼女が
”そぉ?”と首を傾げた。






こんな、仕草や表情が自然に
できるなんて、木崎さんはきっと
根元から女の子らしい子なんだ。






それを羨ましいとは、思わないけど
このくらいの女の子なら、先輩の
隣にいたってきっと自信をもって
歩けるんだろうな、なんて
考えただけで、心がモヤモヤした。







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