俺様王子の初恋




「 へぇ、メイド喫茶? 」




ふっ、と彼が笑った。
一応授業中なのに、
彼の担任と私の担任は
何をしているんだろう。




「 楽しそうじゃん 」




独り言なのか、それとも
誰かに言っているのか
相変わらず教室に響くのは
彼の低い声だけ。




「 葵、メイドすんなら
  来てやるよ 」


「 本当ですかっ!? 」








もちろん、今のは私じゃない。





「 は? 」


「 今の本当ですか!? 」


「 あー、まぁ 」






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