俺様王子の初恋





「 俺、先輩より歳は下ですけど
  グランプリに歳は関係ないですよね 」





早く、葵を探しに行きたい。
壁に背中を預けて、溜息を零すと
俯いた俺の視界に佐野が俺の顔を
覗き込んできた。





「 聞いてます? 」


「 ・・・チッ 」


「 俺、前に葵ちゃんが旧校舎に
  入っていくところ見たんですよ 」





”放課後に、ですよ?”と
付け加えた佐野の口角が上がって











「 先輩、会ってますよね?
  旧校舎の保健室で、葵ちゃんと 」







バレても、別に構わないとは
思ってたけど、相手が悪い。







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