C'est la vie!
*未来を求めて*

この場所に留まってる理由は?






―――




あたしたちは死んでなかった。





だけど、


クロウさんはあたしたちをこのお屋敷に閉じ込めてどうするつもりなんだろう。


何を考えているのだろう。


彼の目的は何だろう。



あたしは零くんが寝ている間に起き出して、一人あの小さな書斎にきていた。


クロウさんとあの着物の女の人の肖像画が飾ってある、あの書斎。


朝だから陽が差し込んでるし、怖いとは思わない。


二人が描かれている絵を見ても、


「う゛~~~ん…分かんない…」


あたしは低く唸って腕を組んだ。


そしてもう一つ問題が。


あたし生きてるってことは、このまま魂(?)っての、今の状態が何を指しているのか分かんないけど、とにかく身体に戻ったら、






あたし受験生じゃん!!





……受験生…だよね。


ってかここで暮らしてて時間の感覚がなくなったんだよね。


ここにはカレンダーなんてものないし。


も、もしも入試の日までに間に合わなかったら!?


あたし中学浪人!?


いやぁああああ!!



一人で喚いていると、


ふっと目の前が暗くなった。





「だ~~れだっ?♪」





陽気な女の人の声が聞こえて、あたしは呆れたようにため息を吐いた。






< 127 / 194 >

この作品をシェア

pagetop