C'est la vie!
*ただいま*

病めるときも健やかなるときも、ともに…






零くん




あたしたち





戻ってこられたんだよ






零くん






あたしたち





生きてるよ





零くん





何度も何度も心の中で彼の名前を呼んだ。


大好きな人の名前を―――





零くんがこちらをゆっくりと振り返る。





「………ただいま」







かすれる声で呟いた声は


少し甘くて低い…くすぐるような声。


零くんの……声だぁ…






「おかえり……」







あたしは涙の入り混じる声で答えると、きゅっと零くんの手を握り返した。


それは幽霊…違った、ゴーストのときに感じたあやふやなぬくもりじゃなく



その皮膚の下に確かに温かい血が通っていることを―――




気付かせてくれた。









< 175 / 194 >

この作品をシェア

pagetop