C'est la vie!


ドサッ!


派手に尻餅をついて、柔らかい土の上にあたしは転がった。


「いったーい!!何あれ!!何であんなところに落とし穴!?ありえないんだけど!」


打ったお尻を押さえて、あたしは起き上がった。


「ッたた…」


どうしてくれるのよ!か弱いレディーのお尻にあざなんて作ってくれたら!


恐怖より怒りの方が勝っていたあたしは、お尻を撫でながらもむくりと立ち上がる。


そのときだった。


「大丈夫?」


軽やかな女の人の声が聞こえて、白い手が闇の中からすっと伸びてきた。


「あ…はい、大丈夫です…」


なんて思わずその手に縋りついちゃったけど…


ってか、誰!?


ズサッ


あたしは思わず後ずさった。


だってこのお屋敷にはクロウさんしか居ないって、クロウさんが言ってたし!


それとも(幽霊の)新入り!?


恐怖と驚きで固まっていると、


「かわいそうに。ミスタークロウの悪戯に引っかかっちゃったのね」


闇の中から女の人が困ったような苦笑を浮かべて姿を現した。






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