名前の無い物語

+甦る記憶と奇跡の再会












何か


何か異変を感じながら、吉野は目を覚ます
背中に感じる痛み
すぐに、自分は地面に倒れている事が分かった

「ぅ…。」ゆっくり起き上がって
辺りを見渡せば


まるで、辺りを岩で囲まれた…まるで洞窟のどこかポッカリ開いた空間のような景色だった


「っ、ここは…。」


「ぅっ…。」

「…!」


吉野の後ろで、柚歌と海も目を覚ます
今自分達がいる場所に、二人も呆然とした


「ここが、新しい世界?」

それにしては、今までと全く違ってデュアンテが居そうにないし
尚且…デュアンテを産み出す根源である人間の気配が無い


また違う…何かの気配を感じる、と海は慎重に辺りを見渡す


「違う。」ポソリと呟かれた吉野の言葉
二人は首を傾げた


ここは…俺達の目的地じゃない


闇の回廊を移動している間
まるで誰かに、引っ張られたような…


「お目覚めかな?」



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