名前の無い物語

身体が光に包まれていくのを感じた

段々と瞼が重くなる
開けているのが…辛くなってきた


そんな中、吉野の意識の中に浮かんだのは
今までの光景



ーー絶対に三人でマスターになろうなーー

陽斗と伊織と交わした誓い


ーーいつか…同じ任務を受けれたらいいねーー


いつの日か…それが夢になって
それが生き甲斐だった


ーー信じろよ、仲間を!ーー


仲間の大切さを教えてくれた海


ーー…ありがとう、吉野ーー


いつも…誰よりも心配してくれた柚歌


ーーお前一人が犠牲になる必要なんてないーー


最初から…親しく接してくれた空


みんなみんな


ありがとう



ーーまた四人で…星を観ようーー


みんなとの『約束』を思い出して
吉野はフワリと笑みを浮かべる


「…必ず、帰るから。」


だから、待っててよ?


光に包まれる瞬間
吉野は笑顔だったーーー










< 561 / 595 >

この作品をシェア

pagetop