名前の無い物語

声をかけてきたのは
何故か柚月だった



「何で吉野がここに…。」


「柚月こそ…生徒会の会議はいいのか?」


確か生徒会と海達は会議がある筈だった
なのに生徒会長である柚月が何故ここに?



「桜と拓也の魔法が消えたのに…のんびり会議なんてしてられないよ。」



柚月は苦笑いを浮かべた


「ま、後でみんなに怒られるのは分かってるんだけど。」


今、何で柚月が会長なのか分かった気がした
全力なんだ
何もかもに…


「吉野は?吉野こそ会議はいいの?海と柚歌もいるのに…。」


なのに俺は…
俺は?



「俺も、柚月と同じ。」



俺は、今まで何に必死だったんだろう?






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