七川学園裁判部!
プロローグ


ここは日本のとある政令指定都市。

街の中心となる駅から電車で30分。

電車を降りて、徒歩で15分。

アパートやコンビニが並ぶ道を抜けて見えるのが、大きな山を一つ切り開いて作られた、七川学園である。

七川学園は広い。

この広大な敷地に、初等部、中等部、高等部、大学が立てられている。

エスカレーター式の元お嬢様学校。

少子化のあおりを受けて、数年前から男子の受け入れも始まったし、中等部以降の外部受験も可能になった。

とは言え、比率的には7:3ぐらいで女生徒の方が多い。

校内には、華やかな女の子の声がひしめきあっている。

穏やかな学園生活の中に響き渡る悲鳴。



「ロッカーに入れていた財布が無くなったの!」

「裏門のところに変なおじさんがいるの!」


そんなか弱き生徒の叫びに手を差し延べるのが、




―――――七川学園裁判部である。
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